在宅医療における訪問指導のあり方について

公開日: 2016年04月22日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬剤師は薬局で調剤するだけでなく、積極的に在宅医療にも加わり、医師・看護師・ケアマネジャー等と協力して在宅医療や介護に関して大きな役割を果たすようになってきています。平成24年の調剤報酬改定では、在宅患者調剤加算が新設され、ますます薬剤師が在宅医療に参画していく流れになっています。

在宅医療のおける訪問での薬剤師の役割

在宅医療における訪問においては、患者さんの薬の使用状況の把握、薬の効果・副作用等の確認はもちろん、患者さんの体調や生活状況等も確認し、さらに処方された薬の説明等を行います。ひと口に在宅医療における薬剤師の仕事といっても多方面の知識と技術が必要になってきます。在宅医療では、患者が抱えている疾患や生活環境においても十分配慮することが大切になってきます。たとえば体の自由があまりきかないという人であれば、小さな錠剤をいくつも包装から取り出すのは非常に困難な作業で、こうしたことがコンプライアンス(服薬遵守)の低下にもつながってしまいます。したがって、多くの場合一包化をしたりしますし、逆にあえてリハビリを兼ねて全てを一包化しないという場合もあります。このように在宅医療における薬剤師の一番の役割は、患者が薬を適正に使用できるように指導・サポートしていくことです。もちろん処方箋に従って患者の状態に応じた調剤を行う必要があり、一包化だけでなく、無菌製剤の調剤といったケースもあります。ただ単に調剤した薬や衛生材料を患者宅に届けるだけにとどまらず、患者の薬歴管理や副作用等のモニタリング、残薬の管理、ケアマネジャー等との連携が必要となってくるケースもあります。在宅医療の対象者は高齢者が多く、多剤併用となっている場合もありますので、訪問の際に重複投与や相互作用のリスク、薬剤の飲み忘れや残薬にも気を配る必要があります。

患者の状態や行動を把握した上での訪問指導

在宅医療における訪問指導は、適正使用のための薬の使用法の説明や残薬確認などが中心となりますが、患者の状態や行動を把握した上での指導が大切になります。筋力が衰えてきている高齢者やリウマチ患者、脳卒中などで麻痺が残っている患者では、包装からうまく薬を出せなかったりします。こうした場合は一包化をはじめ調剤方法の工夫も必要かもしれません。認知症など理解力が低下している人は、一包化したり服薬カレンダーを利用したりする他、介護者などへの丁寧な服薬指導が必要となります。高齢者で嚥下が困難な人は、薬を上手く飲み込めなかったりするので、小さいサイズの錠剤にしたり、とろみをつけたり、服薬補助ゼリーのようなものを利用したりしたほうが良い場合があります。在宅医療における訪問では、処方箋どおりに調剤するだけでなく、訪問で患者を観察し、状況をしっかり確認したり、患者や介護者からよく話を聞いたりして患者の立場になって考え判断していく想像力も大切になってきます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング