取扱いに厳格な注意が必要となる規制薬物研究者

公開日: 2016年05月09日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
取扱いに注意が必要な麻薬、覚せい剤、毒物、劇物、向精神薬などは、規制薬物として一般の医薬品よりも厳格な管理が求められています。法律も、医薬品医療機器等法以外に、麻薬及び向精神薬であれば麻薬及び向精神薬取締法、覚せい剤及び覚せい剤原料であれば覚せい剤取締法、毒物・芸物であれば毒物及び劇物取締法で規制されています。こうした物質を研究施設で取り扱う人たちのことを規制薬物研究者と呼び、資格などが必要となります。

規制薬物研究者と麻薬・向精神薬

規制薬物である麻薬には、モルヒネ・コデイン・ヘロインなどのあへんアルカロイド系麻薬、コカインに代表されるコカアルカロイド系麻薬、LSD25やMDMAに代表される合成麻薬があります。あへんアルカロイド系のものは、鎮痛や鎮静・鎮咳・止瀉の目的で使用されますが、多幸感・呼吸障害・身体依存・精神依存といった中毒症状があります。一方コカアルカロイドは表面麻酔等に用いられ、中枢興奮や幻覚・妄想・精神依存といった中毒症状が現れます。麻薬の取扱いについては、厳格に規定があり、麻薬輸入業者、麻薬輸出業者、麻薬製造業者、麻薬卸売業者、麻薬小売業者、麻薬管理者などのさまざまな資格があります。このうち学術研究上で麻薬を使用する規制薬物研究者は、学術研究のために、麻薬原料植物を栽培し、麻薬を製造し、又は麻薬、あへん若しくはけしがらを使用する者として都道府県知事から資格が与えられます。麻薬の管理は厳格に規定されていて、必ず業務所内で保管し、覚せい剤を除く麻薬以外の医薬品と区別して保管することと定められています。研究においては、帳簿を備えて、製造、製剤、譲渡・譲受等を行った麻薬の品名・数量・年月日等を記録し、その帳簿を最終記録の日から2年間保管しなければいけないことになっています。もちろん盗難・所在不明などの事故が起こった場合は、速やかに品名や数量、事故状況などを届け出なければなりません。医療系大学の研究において、研究終了後廃棄する場合は、都道府県知事に届出を行い、職員立ち合いのもとに行う必要があります。向精神薬は麻薬ほどは厳しくありませんが、盗難防止に必要な注意又は施鍵して保管しなくてはいけません。

麻薬・向精神薬以外の規制薬物研究者

大麻やあへんといったものは、通常では医療では用いません。しかし例外的に学術研究目的で、大麻を研究する目的で大麻草を栽培したり、大麻・あへん・けしがらを使用したりすることが都道府県知事の免許を受けて許されている研究者がいます。これが大麻研究者です。大麻取扱者(大麻栽培者及び大麻研究者)は、都道府県知事から大麻取扱者免許を受ける必要がありますが、大麻から製造された医薬品を施用したり、そのために交付したり受け取ったりすることは一切禁止されています。あへんは、あへん法により国があへんの輸入・輸出・収納・売渡を独占して行っていて、研究で使用する場合には厚生労働大臣より栽培の許可を受けなけらばなりませんし、栽培した全てのあへんは国が収納することになっています。覚せい剤は何人であっても輸出入が禁止されています。学術研究のための製造に関しては、その都度所在地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣から覚せい剤研究者として許可が必要になります。毒物・劇物については、使用に際して原則許可は不要ですが、四アルキル鉛やモノフルオール酢酸など特定毒物を取り扱って研究する場合は、特定毒物研究者としての許可を都道府県知事から受ける必要があります。
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