製造販売件と著作権、イソジンとカバくんの決別の話

公開日: 2016年04月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
OTC医薬品には、子供にもなじみやすいように動物のキャラを使って宣伝広告したり、製品のパッケージにキャラクターを入れたりしているものもあります。中でも多くの人に親しまれてきたものの中に、ポビドンヨードを使ったうがい薬で有名なイソジンのカバくんがあります。カバくんがうがいしているイソジンのテレビCMを見たことがある人も多いかと思いますが、イソジンとカバくんの関係をめぐって、問題が起こっています。

イソジンブランドの製造販売権と、カバくんの商標権の分離

今までイソジンとカバくんのキャラクターを結びつけて製造販売してきたのは明治グループです。うがい薬の「イソジン」ブランドの殺菌消毒薬は、明治グループが外資米国系の製薬メーカーであるムンディファーマ社と技術契約及びライセンス契約を締結して販売していました。しかし、2016年3月31日をもってその契約が切れ、明治グループは契約期間が切れたことを機に、「イソジン」ブランドの製品の製造販売権をムンディファーマ社へ移管することになりました。今後日本では、ムンディファーマ社と日本での販売件に対して契約締結した塩野義製薬が「イソジンブランド」について販売していくことになります。しかし、イソジンの宣伝広告に利用してきたカバくんの商標権は明治グループが握ったままになっています。そこで明治グループでは、2016年4月1日以降も、「明治うがい薬」などにのパッケージにカバくんを使用するなど、ポビドンヨード製剤16品の販売に関して、カバくんを活用していく意向を示しています。また蓄積した感染対策に関する豊富な知見や情報提供にもカバくんを利用していく予定にしています。

消費者の間で強く残っているうがい薬はカバのイメージ

一方、イソジンブランドの日本での製造販売を行う塩野義製薬も、キャラクターにカバを使うということを発表していましたが、これに対し明治グループは、「カバくん」はウチのキャラクターだから類似したキャラクターを使わないでくれとお願いをしていました。ところがスッキリとした回答がなかったため、明治グループは、ムンディファーマ社と塩野義製薬に対して、不正競争行為になるということで、行為差し止め等仮処分命令の申し立てを行っています。もし、塩野義製薬がカバのイメージキャラクターを作成・使用して商品展開を行った場合、カバくんそのものはもちろん使えませんが、カバくんとの類似性等を検討した結果、著作権侵害と認定されない範囲であると認められれば、そのカバのキャラクターは使用できることになります。いろいろな意見はあると思いますが、イソジンをカバのイラストを目印に購入していた消費者もいるかと思います。昨日までカバのイラストを目印に買っていたうがい薬に、いきなりキツネやタヌキになっても混乱をまねくだけのような気もします。メーカーの事情もわかりますが、消費者が混乱しないようにメーカーにも細心の注意と配慮をお願いしたいところです。
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