薬剤師の守秘義務と個人情報の保護

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
薬剤師は、お薬手帳の薬歴や処方箋等で患者の個人情報や秘密を知る立場にあります。特に患者には病気のことを他人に知られたくないという心理もあり、薬局ではお薬を渡すカウンターを個室にしたり、ついたてを立てたりと個人情報の保護に気を使っているところが多くみられます。

薬剤師の守秘義務は刑法でも規定されている

薬剤師は、医師等と同様に患者さんのいろいろな情報を知りうる立場にあります。名前や年齢はもちろん、お薬手帳からは薬歴、それから病歴なども推測することもできます。したがって薬剤師には秘密漏示防止のために刑法で厳しい規制がかけられています。秘密漏示については刑法134条に「医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。」となっていて、薬剤師は守秘義務が課せられている職業として医師、弁護士と同列に記載されています。薬剤師は医療の担い手として患者のプライバシーについて、正当な理由なしに漏らしてはいけないことを理解しなければなりません。薬剤師倫理規定の第9条でも、「薬剤師は、職務上知り得た患者などの秘密を、正当な理由なく漏らさない」という記載があります。


薬局にも深く関係する個人情報保護法

個人情報保護法は、2005年4月1日より施行されていますが、医療関係者はカルテ、処方箋、お薬手帳、薬歴簿、保険証の情報、調剤報酬明細書、調剤録など患者の個人情報に関するものを非常に多く取り扱っています。厚生労働省は、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱のためのガイドライン」を定めています。これらの保存期間が切れたときに廃棄するときも気をつけないといけません。薬局では個人情報の利用目的をできる限り到底し、その利用目的を通知・公表する必要があります。薬局では「個人情報保護方針」を薬局内に張り出したり、初回患者質問票に個人情報の取扱に対する薬局の姿勢を記載したりして、患者さんに個人情報の利用目的を開示しています。


守秘義務や個人情報保護に関連して注意しなければいけないこと

薬剤師は、守秘義務に関して個人情報保護法以外にも、薬剤師倫理規定第9条や刑法134条によっても規制されています。故意的に個人情報を漏らしてしまうというのは論外ですが、意外とやってしまいそうなことがあります。病院への疑義照会や、薬局実務実習等も個人情報の利用目的になりますので注意が必要です。保険証のコピーを取る場合にも説明をして許可を得る必要がありますし、薬歴管理は厳重にしないといけません。薬局で患者さんの名前を呼ぶ際、またそれで服薬指導するときにも十分配慮する必要があります。
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