ドラッグラグは医薬品のタイムラグ

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬品の開発についてよく問題視されているのがドラッグラグですが、これは海外で使われている医薬品が日本で承認されて使えるようになるまでの時間の差、つまり医薬品のタイムラグのことです。日本にいる患者さんのために、なるべく早く日本でも海外で使われている医薬品が使えるように、国と民間でいろいろな取り組みがなされています。

時間がかかる日本の医薬品承認販売

世界の医薬品市場の売上高上位100品目のうち、未発売の医薬品が何品目あるかを2010年の時点で外国と比較すると、米国・英国がそれぞれ2品目であったのに対して、日本は11品目もありました。つまり世界の医薬品市場で人気の100品目のうち1割以上が日本では発売されていないということになります。どうしてこんなことが起きているのかというと、理由の一つとしてあげられるのが開発されてから承認販売できるようになるまでに要する時間が長いということになります。承認販売までに要した時間を先進国で比較してみると、2010年時点で米国0.9年、英国1.2年、ドイツ1.3年ですが、日本は4.7年になっています。外国では普通に使用できる医薬品が日本では使用できないという事態が起きていて、国も何とかこのドラッグラグを解消すべき方策を打ち出しています。その一つが治験結果の審査期間の短縮です。


ドラッグラグ解消に行われている施策

ドラッグラグの原因とされているのが、日本での「治験着手時期」、「治験期間」、「審査期間」の差で、米国と比較すると治験着手時期で約2年、1年前後の治験期間及び審査期間の差により約4年ものドラッグラグが生まれています。この差をつめるべく国は、専門性と臨床試験の効率化に必要な機能を集約した臨床研究中核病院などのコアセンターを設置し、治験・臨床研究ネットワーク体制を推進することでドラッグラグを少なくしようとしています。また治験審査においても医薬品医療機器総合機構(PMDA)では、審査期間短縮のため、審査員を増やしたり、治験における相談制度を強化したりすることに努めています。さらにメーカー側も複数の国で同時に行われる国際共同治験を積極的に実施し、医薬品の開発と承認申請を外国と同時期に行えるよう工夫することで、治験の開始時期を早める努力をしています。医薬品には有効性とともに安全性があり、薬による薬害・副作用の問題があります。一方、薬が承認販売されていないために苦しい思いをするといった問題の両側面を考えなければならず、治験・審査・承認という過程の中で考えていかなければならない課題になっています。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング