2014年に流行しはじめたエボラ出血熱

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
2013年12月頃から西アフリカを中心にエボラ出血熱が流行をはじめ、2014年6月頃からは急速に感染が広がりました。WHO(世界保健機関)は、感染の疑いのある例も含め15,000人以上が感染し、5、400人以上が死亡したと報告しています。

エボラ出血熱の感染の特徴とその症状

ギニア、シエラレオネ、リベリアでは、国境付近の地域が封鎖されることになるなど、封じ込め対策がいろいろ行われていますが、エボラ出血熱は、マールブルグ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、クリミア・コンゴ出血病とともに五大出血熱の1つになっています。

気になる感染ルートですが、血液や体液を介して人から人への接触感染が見られます。宿主は不明ですがオオコウモリが疑われています。エボラ出血熱の潜伏期間は2~21日と言われていて平均約1週間で突発的に発症します。症状としては、発熱や出血しやすくなり、自覚症状として頭痛や腹痛が出てきます。初期症状としては発熱・筋肉痛・関節痛があり、局所の血管からの出血により、臓器出血や点状出血が見られ、目などの粘膜出血を起こしたりします。ショックやDICで死亡することが多くなっています。

エボラウイルスはRNAウイルスの中でも、フィロウイルスと呼ばれるもので、らせん対称で一本鎖RNAがあり、外側をエンベロープと呼ばれる脂質二重膜で包まれています。らせん対称で一本鎖RNAで外側はエンベロープで包まれているという構造は、インフルエンザウイルスと共通していて、これにより新型インフルエンザとして開発されたRNAの複製を抑えるアビガン錠がエボラ出血熱にも有効ではないかということで治療薬として検討されています。


エボラ出血熱の日本での法的な位置づけ

日本では感染症に対し迅速に対応できるように、法律で感染症を1類感染症から5類感染症まで大きく5つに分類しています。エボラ出血熱は、日本における感染症法において、感染力・罹患した場合の重篤性等に基づいて総合的観点からみて、危険性が極めて高い感染症である1類感染症に分類されています。五大出血熱と言われているマールブルグ出血熱、ラッサ熱、南米出血熱、クリミア・コンゴ出血病、それにエボラ出血熱は、天然痘やペストとともに1類感染症に位置づけられています。1類感染症は、基本的には全数把握で医師に診断後直ちに届出を行うことが義務付けられています。検査は血液・咽頭拭い液・尿を検体として検査され、ウイルスの分離・同定、酵素免疫測定法による抗原検出、遺伝子の検出等によって行われますが、発症から72時間以内はウイルス量が少なく感染していても陰性と出るケースもあると言われています。国立感染症研究所では『エボラ出血熱診断マニュアル』を作成しています。
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