発生が危惧されている新型インフルエンザ

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
新型インフルエンザの出現は、おおよそ10年~40年の周期で発生しています。1918~1919年にはH1N1ウイルスによるスペインインフルエンザ、1957~1958年はH2N2ウイルスによるアジアインフルエンザ、1968~1969年はH3N2ウイルスによる香港インフルエンザ、直近では2009年にH1N1ウイルスによる流行がありました。

新型インフルエンザの発生と感染拡大

東南アジア等で家禽類の間でH5N1亜型の高病原性鳥インフルエンザが発生し、H5N1ウイルスがヒトからヒトへと感染することが懸念されています。インフルエンザは、ウイルスがヒトの細胞に吸着し侵入するために必要な赤血球凝集素(HA)と、増殖したウイルスが細胞外に出ていくために必要なノイラミニダーゼ(NA)を持っていて、HA及びNAの種類によりH5N1等の亜型が存在しています。通常の季節性インフルエンザの場合は、A型・B型があり突然変異してもわずかに抗原性が変化する程度で、1~3年毎に小さな流行を繰り返します。これに対し、新型インフルエンザはA型のみで起こり、抗原性が異なる別の亜型が誕生するフルモデルチェンジになるので、多くのヒトが有効な抗体をもっておらず大流行となってしまいます。人インフルエンザと鳥インフルエンザが豚に感染し、遺伝子の交雑が起こり、新たな亜型が発生し新型が生まれます。あるいは鳥インフルエンザが直接人に感染して、新型が生まれます。そして、ヒト-ヒト間での感染性を獲得すると大流行していきます。


新型インフルエンザ対策の内容について

国は、平成21年に発生した新型インフルエンザ(H1N1)を踏まえ、平成23年9月に「新型インフルエンザ対策行動計画」を改訂し、平成25年6月からは新型インフルエンザ等対策特別措置法が施行されています。対策の基本は、まずは水際対策で日本への侵入を遅らせ、その次に早期封じ込め作戦により拡大を遅らせます。そしてワクチンの早期接種などにより流行のピークを下げて医療負担を減らすということになっています。最近では野鳥の糞からH5亜型の強い毒性を持つ鳥インフルエンザのウイルスが検出されています。まれにですが、野鳥との接触により人に感染することもありますし、人から、新型インフルエンザへの懸念も指摘されています。薬としての対応は、ワクチンと抗ウイルス薬になります。抗ウイルス薬は、タミフルやリレンザなどのウイルスの増殖を抑える薬の他に、最近エボラ出血熱への効果で話題になっているアビガン錠のようにウイルスのRNAの複製を抑える薬も開発されてきています。H5N1については、鳥インフルエンザウイルスから作られたプレパンデミックワクチンが開発され重症化防止にある程度期待を寄せられています。パンデミックワクチンは、新型ウイルスをもとに製造されるもので効果が期待されますが、発生から完成までに半年から1年かかってしまいます。
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