負担が大きくのしかかる若年性認知症

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
認知症は、正常に発達した「学習」、「記憶」、「判断」、「計画」といった脳の認知機能が後天的な脳の器質障害によって持続的に低下して、日常生活にも支障をきたすようになった状態です。この認知症は一般的には高齢者に多いものですが、65歳未満で発症した場合は、「若年性認知症」と呼ばれています。高齢者の認知症と病態的には同じで、発症年齢により区分されています。

若年性認知症の兆候・症状とその問題点

65歳未満というと、まだまだ働き盛りですが、その時に認知症になってしまうと、本人はもちろん家族の生活にも大きく影響を与えてしまいます。その原因として多いのが、脳卒中等に引き続いて起こってくる血管性認知症で、全体の約4割を占めています。その次に多いのがアルツハイマー病で約25%、それ以外では頭部外傷後遺症やアルコール性認知症などがあります。

初期症状としては数日前のことが思い出せなくなってきて、進行すると数分前のことも忘れてしまったりします。また見当識障害といって時間や場所がわからなくなってきます。そして判断力・理解力・思考力が低下してくるので、今まで普通にできていた料理がうまくできなくなったり、珈琲がきちんといれられなくなったりしてきます。全ての人に出てくるわけではないという症状には、徘徊・妄想・幻覚・不安等があります。

若年性認知症の発症年齢は51歳ぐらいで、男女でいうと男性の方がやや多くなっています。特に高齢者の認知症と違い、働き盛りの人の場合、休職や退職による経済的問題が大きく、子供がいなかったり、まだ若かったりすると配偶者の負担が大きくなってしまいます。また親の世代が高齢ということもあり、場合によっては一人で複数介護しなければならないというケースも出てきてしまいます。


若年性認知症に対する国の施策と治療薬

国では、さまざまな若年性認知症に対する支援対策を打ち出していて、医療的な支援としては、認知症疾患医療センターにおける確定診断や、精神通院医療費による健康保険の自己負担軽減等が行われています。また障害基礎年金等による経済的な支援もあります。行動援護等の施策やケアホーム、職業リハビリテーションサービス等もあり、介護保険サービスとしては、認知症専用のデイサービスやグループホーム等の提供があります。若年性認知症は、40歳以上であれば特定疾病として認定され、介護度Ⅰ~Ⅴの5段階で診断され、介護保険が受けられるようになっています。

治療薬としては、自分のいる場所がわからなくなる等のアルツハイマー型認知症状の進行を抑える薬として、アリセプト、レミニール、メマリーといった薬があります。全ての人に十分な効果があるわけではありませんが、アリセプトにより軽度の認知症が劇的に改善した例も報告されています。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング