災害大国日本に必要なPTSD対策のケア

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)は、心的外傷後ストレス障害のことで、強烈なショック体験や強い精神的ストレスが、心のダメージとなり、時間がたってからもその経験に対して強い恐怖を感じるものです。震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれていますが、日本では1995年1月17日に起こった阪神淡路大震災の頃から、この言葉を耳にするようになってきました。

PTSDが言われたのはベトナム戦争

PTSDが最初に言われるようになったのは、ベトナム戦争の時で、幾多の殺戮場面を目のあたりにした米国兵士が、帰国後に本国で生々しい戦争体験がよみがえり、仕事に就けなかったり麻薬におぼれたり、凶悪犯罪に手を染めたりといったことがあり、注目を集めました。その後も湾岸戦争等においても、同じようなことが起こっています。

日本は幸いにして現在戦時中ではありませんが、外傷体験の原因は、戦争等の人災の他に、地震や火山噴火、台風等の自然災害もあります。突然、命が危険にさらされたり、住み慣れた家が壊れたり、故郷がめちゃくちゃになってしまったりといったことは、過酷な体験です。もちろん、怖い経験をした後は神経が高ぶり、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何ヶ月も続いたりするのがPTSDです。


PTSDの症状の特徴とその治療と対策

PTSDは、いつ頃から出てくるのかというと、それは個人差があり、また経験した内容によっても異なってきます。通常は数週間から数ヵ月経ってから急に症状が現れますが、場合によっては何年も経ってから症状が出てくるといったケースもあります。注意しなければいけないのは、怖い外傷的な出来事があっても直後には比較的元気で活動しているような人がいます。

しかし、PTSDは突如症状が出てきます。ある時、突然怖い体験を思い出し、恐怖はもちろん、苦痛・怒り・哀しみ・無力感といったいろいろな感情が混じった記憶として現れたりします。不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。つらい記憶に苦しむことを避けるために、感情や感覚が麻痺し、家族や友人に対して愛情や優しさなどを感じられなくなるケースもでてきますが、これは、つらい経験の記憶からこころを守るための自然な自己防衛反応なのだそうです。

治療は、薬ではSSRIを中心とした抗うつ薬や抗不安薬、精神安定薬が処方されますが、基本的には心の外傷の回復を助け、苦しい症状を軽減していくことになります。持続エクスポージャー療法といって、トラウマとなった場面をあえてイメージし、思い出しても大丈夫だということを感じていく方法があります。国では、病院や精神保健福祉センターなどに勤務する医師、保健師などを対象として、PTSD対策専門研修を平成8年度より毎年開催し、ケアする側の技術向上に努めています。
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