自立した老後とロコモティブシンドローム
公開日: | 2015年02月20日 |
著者: | yakujiman |
最近、メタボリックシンドロームとともに良く使われる健康関連の言葉に、ロコモティブシンドロームがあります。ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)は、加齢に伴う筋力低下や関節や脊椎疾患、骨粗鬆症等により運動器の機能が衰えて、要介護や寝たきりになるか、そのリスクの高い状態になったのを表したもので、平成19年に日本整形外科学会が提唱した言葉です。
増えているロコモとその予備軍のチェック

厚生労働省の平成22年度の調査によると、骨折・転倒や関節疾患もロコモに含まれますが、ロコモが原因で要支援・要介護となった人は全体の23%を占めています。次の7項目のうち1つでもあてはまれば、ロコモ予備軍として注意が必要です。①片脚立ちで靴下がはけない、②家の中でつまずいたり滑ったりする、③階段を上るのに手すりが必要である、④家のやや重い仕事が困難である、⑤2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である、⑥15分くらい続けて歩くことができない。⑦横断歩道を青信号で渡り切れない。
ロコモティブシンドロームの三大原因疾患に注意
ロコモティブシンドロームには、三大原因疾患があります。それは『骨粗鬆症』、『変形性膝関節症』、『脊柱管狭窄症』です。歳をとり、骨粗鬆症になると、骨量が低下して、骨がもろくなり折れやすくなります。ちょっとしたことでも骨折をしてしまったりするので注意が必要です。骨量が低下して骨が脆くなる『骨粗鬆症』、膝関節の軟骨がすり減る等して慢性的な痛みが膝に出てくる『変形性膝関節症』、背中の脊柱管が変化してその中を通る神経が圧迫され足腰にしびれや痛みが出てくる『脊柱管狭窄症』には注意が必要です。特に注意したい部位としては、背骨(椎体)の圧迫骨折、太もものつけ根の大腿骨近位部骨折です。体全体を支えている背骨の圧迫骨折や太ももの骨折は、背中や腰に痛みが出て寝込みがちになってしまい、治るまでの期間歩かないでいると、足腰の筋力が低下して寝たきりのリスクが高くなってしまいます。足腰の筋肉が衰えてくると、膝関節なども弱くなりバランスがとりにくくなって転倒しやすくなります。 特に女性は閉経後に急激に骨量が低下し、50歳以上の女性の24%、80歳以上の女性の約半数が骨粗鬆症といわれています。最近では子供の運動能力低下についても問題視されています。
新着記事

