医薬品の副作用を想定した重要な健康被害救済制度

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
どんなに素晴らしい医薬品でも、副作用がまったく起きないという保証はありません。万一、医薬品による副作用が起き、それにより障害や死亡につながってしまったときに、救済給付を受けられるようにすることが大切です。この副作用救済制度を取りまとめているのが、医薬品医療機器総合機構(機構)になります。

健康被害救済における副作用救済給付の種類

医薬品医療機器総合機構(機構)の目的は、1つは「医薬品等の品質・有効性・安全性の向上のための審査業務」となっていますが、もう1つは「医薬品等の副作用や、生物由来製品による感染等による健康被害の救済を通じ、国民保健の向上に役に立つこと」となっています。

薬を飲んで副作用が出てしまった場合、それによる健康被害を受けた本人(死亡してしまった場合は、遺族のうち最優先順位の者)が直接、機構に対して請求手続きを行い、機構で支給額を決定することになっています。医薬品の副作用により入院を余儀なくされた場合は、医療費と医療手当が出されます。医療費は副作用による症状の治療に要した費用について実費補償され、医療手当はその治療に伴う医療費以外の費用負担分が低額で支給されます。

副作用等で日常生活が著しく制限される程度の障害が起こってしまった場合は、18歳以上の場合は障害年金、18歳未満の場合は障害児養育年金が支給されます。また死亡してしまった場合は、生計維持者の場合は遺族年金、それ以外の場合は遺族一時金が出され、別途葬祭料が支給されることになります。生物由来製品での感染等による障害については、医薬品副作用被害救済制度ではなく、生物由来製品感染等被害救済制度が適応され、感染救済給付を受けることになります。


副作用救済給付が行われるための判断

医薬品副作用救済制度ですが、副作用がでれば何でも適用されるというものではなく、入院や後遺症が残るなどの重篤な副作用がでた場合が対象となります。処方薬だけでなく、処方箋なしで購入できる医薬品にも適用されますが、きちんと用法・用量どおりに服用していないと救済の対象にはなりません。たとえば、1回2錠の用法の医薬品を、効果を期待して3錠飲んでいて副作用が起こった場合や、故意に大量に服用した場合は、救済されません。

医薬品の副作用については、医薬品医療機器総合機構法では、適正な使用目的に従い適正に使用された場合においてもその許可医薬品により人に発現する有害な反応と定義されています。当該医薬品に損害賠償責任が生じるような事態になった場合は、その時点から損害賠償の問題となるので、救済給付は中止となります。さらに、抗悪性腫瘍剤や免疫抑制剤、体外診断薬や殺菌消毒剤は除外されています。健康被害が報告された場合、給付にあたり医学的薬学的判断について機構から厚生労働大臣に判定の申出が行われ、薬事・食品衛生審議会の意見を参考に判定が行われ、最終的に機構で支給の可否決定が行われます。
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