カルテ(診療録)とその記載・保存

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医療が行われる上において、医師の診療により得られた情報は、今後の治療方法などにおいて重要な役割を果たすことから、診療録等に記録されなければなりません。処方箋も診療記録の一種で、これらの診療記録は法律でその記載事項や保存期間が規定されています。

診療情報・診療記録・診療録(カルテ)

診療情報(medical information)は、医者だけに限らず医療従事者が診療にあたって知り得たすべての情報を指します。診療記録とは、診療情報を紙や電子媒体に記したもので、医療施設においてその診療記録の作成や管理については医師法等の法律で細かく規定されています。
診療記録というと、診療録(カルテ)を連想する人が多いかと思いますが、その他に検査記録、処置記録、看護記録、カンファレンス記録や、医師の指示・依頼記録、入院診療計画書、治療経過中の説明やその同意書などもすべて診療記録となります。薬剤師が毎日目にしている処方箋も診療情報を記した診療記録になります。検査結果や画像情報といった診療記録は、診療録と区別されずにこれらも含めて「カルテ」と総称で呼ばれていることが多くなっています。


医師法で定められた診療録(カルテ)の記載と保存

一般にカルテと呼ばれているものは、医師法の中では「診療録」という言葉で出てきます。医師法第24条1項では、「医師は、診療をしたときは、遅滞なく診療に関する事項を診療録に記載しなければならない。」と義務づけています。そして厚生労働省令にあたる医師法施行規則においては、4項目のカルテの記載事項が定められていますが、具体的な記載内容などについては規定されていないので、医師の裁量になっています。省令でカルテに記載するとされている事項は、①診療を受けた患者の氏名・住所・性別・年齢、②病名や主要症状、③治療方法(処方・処置)、④診療の年月日となっています。また医師法で定められたカルテの保存期間は5年間になっていて、診療を行った医師(勤務医が診断した場合はその医療機関の管理者)が、管理責任者として保管することになっています。


SOAPを使ったPOMRによるカルテ

診療記録の記載方法には患者のかかえる問題に焦点をあてたPOMR(問題思考型診療録 Problem Oriented Medical Record)という方式があります。入院後の治療・看護計画を立てる上で有益な方法として採用している病院が多くなっています。基礎データを整理し、問題点を確認し、計画を立て、その記録を「SOAP」に分けて記録し、退院時要約も記録していきます。SOAPとは、Subjective datta(自覚症状といった主観的データ)、Objective data(他覚症状といった客観的データ)、Assessment(評価・考察)、Plan(検査・治療・患者教育の計画)の頭文字をとってSOAPとなっていて、POMRはこの4項目に分けて診療録(カルテ)に記載されていきます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
Crown 転職サイト比較 ランキング