電子カルテとその問題点と薬剤師

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
電子カルテは、紙のカルテを電子的なシステムにより置き換え、電子情報として一括して編集・管理し、データベースとして記録するシステムで、日本では1999年4月から診療録をはじめとする医療記録を電子媒体で保存することが可能になっています。しかし2014年現在、診療所の電子カルテの普及率は2割程度と言われています。

電子カルテとオーダリングシステム

よく電子カルテシステムと似たような言葉としてオーダリングシステムという言葉があります。
オーダリングシステムは、オーダリングという名前のとおり医師が他のスタッフと情報を共有するために、その情報源となり、医療スタッフへのオーダ内容を電子化したシステムのことで、病院等で取り入れられています。つまり処方・注射、検査指示、撮影指示、栄養指示などのうちのいくつかをコンピュータを使って行っているシステムです。一方電子カルテは、看護指示や処置等も含め、指示すべてに加えて紙カルテに記載していた情報を一緒に電子的に保存するシステムで、オーダリングシステムに加えて紙カルテ情報等を追加した総合的なシステムです。


電子カルテのメリット・デメリット

電子カルテのメリットは、情報のデータベース化によって情報共有が容易になり、検索や統計処理もできる、いつでもどこでもアクセスしやすくリアルタイムの情報を得ることができる、手書きでなく電子媒体なので誰でも読める、診療情報を各種証明書の作成などに再利用でき効率を上げることができるといったようなメリットがあります。一方デメリットとしては、初期費用がかかるほかメンテナンスをしなければならなくなり、コンピュータへの入力ルールを統一していくなどの手間がかかるほか、ネットワークのセキュリティやプライバシー保護の問題がでてきます。電子カルテにおいては、その保存について厚生労働省が「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を出して3つの基準を示しています。その基準は、①真正性(虚偽入力、書き換え、消去等の防止と責任の所在)、②見読性(患者説明・鑑査等要求において肉眼で支障なく見ることができる)、③保存性(保存期間に真正性を保って保存できる)があることというようになっています。


電子カルテのセキュリティーと薬剤師

医療スタッフの一員として電子カルテを閲覧することができる薬剤師の場合、一番気をつけなければならないのが、個人情報とその漏洩ということになります。通常は情報漏洩を防ぐために閲覧・利用可能な医療スタッフにはID・パスワードがあるかと思います。これらの管理はもちろんのことですが、画面をつけたまま離席するなどして漏洩する可能性もあります。印刷したものは責任をもってシュレッダー処理する必要がでてくる場合もあります。さらに外部の医療機関や薬局に電子化された資料を渡す場合は、他人がそれを閲覧できないような配慮も必要になってきます。電子カルテの普及率が国が目標にかかげている6割に達していない原因の1つにはセキュリティーの問題があるのかもしれません。
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