患者の情報を把握するためのお薬手帳

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
お薬手帳は、薬局に行くときに過去に服用してきた薬、又は現在服用している薬を医療機関が一元的に把握できるようにしている重要な医療ツールです。既往歴やアレルギー歴、副作用歴等、治療を行う上で必要な情報が組み込まれていて、面分業をはじめ、災害時などの緊急対応時におおいに役立ちます。

調剤に役立つ情報がつまったお薬手帳

2012年4月に診療報酬の改正が行われ、後発医薬品の使用拡大のために一般名処方加算がつけられ、一般名処方箋が増えてきています。これに伴い患者情報を把握するための重要なツールとしてますますお薬手帳が重要視されるようになりました。前回調剤された薬剤は、患者さんが持ってきた処方箋だけからでは判断できません。一般名はわかったとしてもどの後発品を使ったのかはわからず、お薬手帳を確認することでその商品名から規格・剤形まで確定することできるので、薬の調剤においては非常に大切な情報源になっています。またお薬手帳には、単に患者さんの服薬歴だけでなく、患者のアレルギー歴や副作用歴、主な既往歴といった情報もあり、処方監査などの際にも非常に参考になります。


お薬手帳を利用するいろいろなメリット

お薬手帳を利用する一番のメリットは、今服用している薬剤を特定し、前回処方された薬やアレルギー歴を照らし合わせることにより、処方監査の参考にしたり、薬物相互作用を防いだり、他の医療機関との薬の重複を防ぐことができます。また患者さんが見ることにより飲んでいるお薬の情報の見直しをすることもできます。うっかり薬局からもらった薬剤情報提供文書を捨ててしまった時などにも役立ちます。


お薬手帳を利用した一元管理の必要性

お薬手帳の活用は、患者情報の一元管理にあり、患者のことをよく理解したかかりつけ医やかかりつけ薬局をもつという国の施策とともに重要な事項として位置づけられています。2004年には、お薬手帳に重要な副作用や相互作用の記載をすることが診療報酬算定要件として盛り込まれ、2010年には入院中に使用した主要薬剤や副作用が発生した医薬品をお薬手帳に記載することが診療報酬算定の評価対象になるなど、記載内容の充実とその活用が図られています。お薬手帳には、患者の氏名や生年月日、連絡先、患者のアレルギー歴や副作用歴の他、調剤日や調剤された薬剤などが記載されていて、大切な個人情報になるので扱いには十分に気をつけなくてはいけません。指導内容を記載したり、検査値を記入したり、疑義照会の内容を記入したり、さらには薬が変更になったときはわかりやすくマーカーを引いたりしてわかりやすく工夫をしているところもあります。最近では電子お薬手帳の意義が認識され、電子お薬手帳を提供する薬局が増えてきています。今後電子お薬手帳の普及がどんどん加速していくとともに、一般用医薬品やサプリメントとの相互作用の面も考慮されるようになってきています。
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