医薬品の情報収取・評価とファルマコビジランス

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
最近使われるようになった言葉に「ファルマコビジランス」があります。これはよく「医薬品安全性監視」と訳されますが、医薬品の安全性・有効性の経時変化を、集団の中で臨機応変に把握・評価して対応することで、医薬品の相対的な有用性を高め、医薬品治療の個別化に貢献する専門分野という広義の意味も含んでいます。

国際社会の中でのファルマコビジランス

ファルマコビジランスという言葉は、1973年にフランスで医薬品安全性関連システムに対して使われていました。ビジランスは、ラテン語が語源の言葉で、本来は「観察する」という意味の言葉で、ポジティブな意味にもネガティブな意味にも使われます。日本語訳では「監視、警戒、用心」という言葉が使われています。

WHO(世界保健機構)では、ファルマコビジランスについて、「薬剤に関連する有害な効果や関連する可能性のある問題について、同定し、評価し、理解し、予防することに関わる科学と活動」と定義しています。つまり情報収集、情報評価と安全確保措置立案、措置実施の3段階からなっています。国際的には、ICH(日米欧医薬品規制調和国際会議)で医薬品安全性監視の計画に関するトピックが検討されて、2004年11月にガイドラインとして日・米・欧の3極で最終合意されています。

日本では、開発から市販後まで医薬品のトータルライフサイクルを一貫させています。GVP(医薬品製造販売後安全管理の基準)、GPSP(医薬品製造販売後調査・試験の実施の基準)、PSUR(定期的安全性最新報告)といった法的に定められた個々の情報だけでなく、その集積情報をもとに医学的・薬学的にベネフィット&リスクの評価も重要となってきます。


メーカーだけではない、ファルマコビジランスに重要な薬局

医薬品の安全性に関して、適切な情報収集、情報評価、安全確保措置立案とその実施のためには、幅広い知識と経験が必要になってきます。特に医薬品メーカーのビジランス関連部門では、その人材の育成が大切になってきます。しかし、ファルマコビジランスは医薬品メーカーに特に関連が深い事項ではありますが、薬局も全く無関係ではありません。

薬局も立派な医療機関として、医薬品等安全性情報報告制度により厚生行政当局に副作用症例を報告する必要があります。情報収集という段階において、患者本人からの具体的で切実な思いを聞き取り報告する窓口としての役割があります。場合によってはその報告の内容が、医薬品の添付文書に反映されることもあります。ファルマコビジランスには、熟練した医薬品メーカーのスタッフのみならず、患者からの窓口としていかに良質の情報を収集できるかという点で、薬局の果たす役割も重要になってきているのです。
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