必須医薬品としてのE-Drug と 経験が大切なP-Drug

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
医薬品の分類にはいろいろな分類法がありますが、その中でE-Drug、P-Drugというカテゴリーがあります。世界中で多くの医薬品が開発され誕生していますが、この薬の必要性について考えたものとしてE-Drugがあります。WHO(世界保健機構)では、必須医薬品モデルリストを1977年に作成しています。

多くの人に必要とされるE-Drugのリスト

E-Drugは、essential drugs(必須医薬品)のことで、1975年にWHOにより提唱されました。WHOの定義によると、「大多数の住民のニーズを満たし、いつでも利用可能であるべき医薬品」となっています。E-Drugは、特に発展途上国に医薬品を供給援助する際に、限られた経費で最大の効果を目指すものであり、「最小限必要な医薬品」とも言えます。発展途上地域で、このE-Drugにいかにアクセスできるようにするかということが、これからの世界的医薬品流通を考えた場合、大きな課題の1つになります。

WHOにより作成された必須医薬品モデルリストは、2年毎に見直しが図られていて、2013年4月には第18版として大人用と子供用の必須医薬品リストがそれぞれ作成されています。リストアップされる医薬品の候補は、有効性と安全性のデータが十分にそろっていて、さまざまな医療機関ですでに使用されている薬であるということを前提とし、その中から必要性が高いと思われるものが選ばれていきます。

また最小限必要な医薬品として、入手のしやすさ等も考慮されて選ばれています。経口薬の場合は、カプセル剤や散剤だと飲みにくいという理由と、錠剤の方が比較的安価であるという理由から、通常は錠剤がリストアップされています。このモデルリストをもとに、各国の疾病構造や医療従事者の資質といった医療環境を考慮し、個々の必須医薬品リストが作成されます。


本当の意味で使いこなせることができるP-Drug

E-Drugに対し、医師自身が使い慣れた薬のことをP-Drug(personal drug)と呼びます。普通医師には自分の得意とする専門分野・専門科目があり、日常の診療では同じような疾病の患者を治療する機会が多くなり、使用する薬も、ほとんどは限られた範囲のものになってきます。

P-Drugは、単に医師が治療に使える自分の得意な医薬品リストということではなく、日常診療の繰り返しの中で、医師が薬の有効性や安全性を十分に知り尽くし、安心して処方できるようになり、自らの経験によって文献や製品情報を盲目的に真似るのではなく、患者の病態や体質に応じて、医師の裁量で用法や用法を安全にコントロールできるまでになっている薬のことを言います。
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