難病やエイズ患者を救うオーファンドラッグ

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
製薬メーカーの医薬品の開発では、売上・利益をあげていかなければなりません。しかし、特定疾患の治療において必要性が高いのにもかかわらず、その疾患の患者数が少ないため開発しても採算が取れない医薬品もあります。こういった希少疾病用の医薬品はオーファンドラッグ(Orphan Drug)と呼ばれています。Orphanは、日本語では孤児という意味ですが、市場性が低い薬で開発リスクも高いため、開発対象から外れ見捨てられてしまうことから名づけられています。

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の条件と開発

オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)には、市場性が低く、たとえ製品化しても患者数が少ないため利益が見込めず開発製造されないという問題点があります。しかし、特定疾患の患者にとっては、オーファンドラッグはなくてはならないものとなっています。そこで厚生労働省では、オーファンドラッグの開発に関して、助成金等の優遇処置をとっています。

オーファンドラッグになるかどうかには条件があります。まずは日本において、その対象疾患患者数が5万人未満で、既存の医薬品と比べ著しく有効性・安全性が高く、代替医薬品や治療法がないといった医療上必要性が高い医薬品であることがオーファンドラッグになる条件となっています。そして、オーファンドラッグとして承認申請されるには、その薬の論理的根拠や、開発計画にも妥当性があることが必要となってきます。

オーファンドラッグの開発支援としては、助成金の支給、医薬品医療機器総合機構による指導・助言、優先審査、再審査期間の延長といった措置がとられています。また、オーファンドラッグに指定されると、医薬品医療機器総合機構から研究開発費の半分が助成金として交付されるだけでなく、法人税や所得税の負担が軽くなります。再審査期間を最大10年もらえるので、その間市場の独占権が与えられます。


オーファンドラッグを提供する企業の考え

オーファンドラッグについての考え方は日米欧で異なっています。日本の場合は、対象疾患の患者が5万人以下で、かつ著しく有効性・安全性が高く、代替医薬品等の治療法がないといったハードルがありますが、米国は対象疾患は20万人以下で可能になっていて、条件的には日本よりも緩くなっています。

オーファンドラッグの具体的な品目については、独立行政法人の医薬基盤研究所のホームページで確認することができます。オーファンドラッグという制度により、難病やエイズといったものを対象とする医薬品の開発も進んできています。

しかし、一般的にはオーファンドラッグを医薬品として開発するには、対象疾患の患者が20万人はいないと難しいと言われています。実際に製薬メーカーは、助成をもらえても採算が合うというところまでになるにはかなり厳しいのが現状です。ただし、採算を度外視してもオーファンドラッグを手掛けることで社会貢献をしているという企業のイメージアップにつながり、開発力の宣伝にもなるという側面もあります。
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