新薬開発に役立つコンビナトリアルケミストリー

公開日: 2015年02月20日
著者: yakujiman
Yakujiman
プロフィール
  • yakujiman
  • 製薬会社の学術関連部門・薬事関連部門にて、製品の学術資料・パンフレットの作成、通知・通達のチェックと情報収集、添付文書・製品表示の原稿作成、製品広告のチェック等の仕事をしてきました薬剤師です。関連する業界の情報等を集め、管理薬剤師のためのマニュアル等の作成も行ってきました。今まで携わっていた製品は、医療用医薬品・一般用医薬品の他にも、医薬部外品・化粧品、サプリメント、衛生雑貨、試薬といった幅広い分野に渡っています。
創薬に関する技術の進歩は目覚ましく、新薬の開発から製造に至るまでの効率化は進んでいます。その中の一つの技術として、コンビナトリアルケミストリーがあります。これは少しずつ違う化合物を短時間で多種類、系統的に作り出すための技術です。

創薬の発展に寄与したコンビナトリアルケミストリー

新薬を開発する場合、まずその候補となる化合物を探し出します。そして、これらを実際に病原細胞や組織に作用させて、ヒトに効果があると期待される化合物をスクリーニングしていきます。この新薬の候補になる化合物をリード化合物と言います。こうしてリード化合物が探し出されると、その効果が検証され、効果が確認できると、作用メカニズムが調査される一方、原子配列を少しずつ変えた誘導体などを調査して、より効果がある化合物を絞り込んでいきます。

「コンビナトリアルケミストリー」は直訳すると「組み合わせの化学」となります。様々なブロックから構成される化合物のそれぞれの要素を多種類ずつ用意し、その考えられる組み合わせを一気に合成するものです。たとえばある骨格をもった化合物があるとすると、その骨格に置換可能な部位に、それぞれに活性が期待できそうな置換基を入れてまとめて合成し、調査していきます。

従来は1つ1つの化合物をフラスコで合成していましたが、半導体やマイクロ加工、自動化技術などの先端技術が開発されたことにより一度に多くの化合物を合成することが可能になりました。コンビナトリアルケミストリーは、1990年代以降に発展してきた技術で、化学者も従来は1年間で50~100個のリード化合物しか作れなかったところが、現在では年間5万個以上の化合物を作れるようになりました。


コンビナトリアルケミストリー創薬からゲノム創薬へ

コンビナトリアルケミストリーの発展により、創薬技術はより発展してきましたが、多くのリード化合物ができたことで、その中から候補成分を見つけなければならなくなりました。またリード化合物ではなく、その誘導体からより効果があるものや安全性が高い化合物が見つかることもあります。リード化合物を多く作るという点では、新薬の候補を発見できる可能性は広がりますが、効果があるものを探すのに時間と労力が必要となります。

ロボット等の発展もあり、多量の処理が可能になってきている反面、大量の無駄も発生することになります。そうしたことからヒトの遺伝子解析技術の発展とともに行われるようになってきたのがゲノム創薬です。コンピューター解析等のデータをもとにヒトゲノム情報を解析し、より論理的に研究開発できるようになってきています。
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